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「水素エコノミー(ジェレミー・レフキン著)の第八章「水素エコノミーの夜明け」の冒頭では、なぜ水素が注目されているのか?を、「脱炭素化」という言葉をキーワードに解説されている。
水素自体はありふれた元素として、地球上のあらゆる場所に存在するが、これまで人間が活用してきた燃料、エネルギー源にも水素が含まれ、他の主な構成元素である炭素と比較すると、新しい燃料ほど水素原子の比率が大きい。水素の比率があがるほど、効率的、かつクリーンなエネルギー源として利用することができる。ただし自然界には水素のみ単体では存在しないので、いわばエネルギーを蓄積する媒体として、様々な自然界のエネルギー源に含有されていると考えることができる。したがって、エネルギー媒体としての水素を単体で生成し、流通、利用を実現することはエネルギー開発の流れとしては正攻法、かつ最終的な目標点になる、という趣旨。
燃料としての水素の利点(利用後に水と酸素しか残らない)は聞いたことがあったが、既存の化石燃料との関係、位置づけというものを理解することができる。単純に「水素が新しいエネルギー源になる」と聞くだけでは、突然出現した夢の技術のように思ってしまうが、こうして見てみると、確かに水素エネルギーへの移行は、科学技術発展のレールのまさに本線にあるように思える。
”クリーンである = 成分が均一 = 効率がよい”という三つの側面が、互いに表裏一体の関係にあるとも言えそうで、新しい技術としては、こういうシンプルな利点がベースにあるのは強いのではないでしょうか。製造方法やコスト、流通網などは、あくまでの二次的な課題であって、個別の技術革新の積み上げで解決可能だと思われるますし、現状の化石燃料ベースのインフラの巨大さを考えれば、エネルギー技術というのはそれだけの投資がされうる産業ということでしょう。
1999年にはアイスランドが世界初の水素エコノミー国家を目指すという長期計画を発表し、多国籍企業三社(ロイヤル・ダッチ・シェル・グループ、ダイムラー・クライスラー、ノルスク・ハイドロ)とアイスランドの六団体(レイキャネス地熱発電所、レイキャヴィーク市営電力会社、化学肥料工場、アイスランド大学、アイスランド研究所、ニュービジネス・ベンチャーファンド)による合弁企業、アイスランディック・ニュー・エナジー社を立ち上げ、事業資本の51.01%を出資した。同社は20年以内にアイスランド経済全体を水素を基盤に運営し、国から化石燃料を事実上一掃することを目標としている。
ハワイ州でも同様のプロジェクトとして、エネルギーの自給自足を実現するべく、豊富な地熱エネルギーと太陽エネルギーを水素燃料に変換する計画をすすめ、将来的には需要を上回る水素を製造して、余剰分をカリフォルニアに送れるようにすることを目標にするという。
「水素エコノミー」という言葉を最初に使ったのはゼネラル・モーターズ(GM)であり、2000年5月にGMの先進技術車部門担当取締役ロバート・パーゼルが「当社の長期ビジョンは水素エコノミーの実現だ」と語った。
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