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2004年03月17日

ブログの古典としての「植物生活 ボタニカル・ライフ」

ブログを書き始めてはや半年、当初は書くネタがつづくのか?と思っていたものの、もはや日常にすっぽりと、はまり込んでいます。日常をいかに書きつらねるかという意味で、永遠の憧れ、個人的には勝手に伝説的と位置づけているホームページがある。1996年から1999年にわたって、いとうせいこう氏の『隠しページ』で綴られていたハードボイルド・植物生活記、ボタニカル・ライフです。

植物生活 ボタニカル・ライフ

久しぶりに読んだら、やっぱりめちゃくちゃ面白い。ベランダ園芸という、あまりにも狭い、ローカル、かつ個人的なテーマなのに、そこで繰り広げられる人間(植物?)ドラマはまさにスペクタクル。そのなかでも一番好きなのは「四月のハーブ/すました雑草(1998,4,16)」。日常が思想のレベルにまで高められています。最高です。ホームページには載っていないのですが、本の前書きも素晴らしい。

ホームページという性格上、どこから読んでもいいように書いてある。したがって本にしてみると冗長な部分も多い。気になるところは直したが、直しすぎると勢いが消えてしまう。頼まれもせずに書いているというはた迷惑な情熱が冷めるのも惜しく、たいがいはそのままにした。どうかご理解いただき、気になった章から好き勝手に読み捨てて欲しい。どうせ山賊のたわ言なのである。

日付を残したのは、同士ベランダーが「ああ、あの台風か」とか「あの年は日照りが長くてねぇ」などと共感して下さるおそれがあるからだ。植物のサイクルは言うまでもなくたいてい一年である。同じように芽が出て同じように花が咲くとも言えるが、むろん毎年少しずつ状況がかわる。花芽に気付づかず、他の芽の剪定を怠れば実りは期待出来ない。ほんのわずか鉢の位置を変えただけでもその後の成長が激変する。そして、なんといっても人類の手に負えない気象によって。
だがその変化は太陽のある限り反復する。
人間がすべて死に絶えても反復するだろう。
したがって、ちゃちなベランダでのこの瑣末なエッセイもまた、繰り返し続ける植物の生命のほんの一瞬と戯れた記録に過ぎない。
いや、だからこそ何年後に読んでも不変なのだと言い張りたくなるのは、人間でしかない者のやくざな悔しさから来ている。

まあ難しいことはともかく、ベランダに出て水でもまこうじゃないか。

ボタニカル・ライフ―植物生活
いとう せいこう (著)
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Posted by jkanekomt at 2004年03月17日 01:01 | trackBack



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