サーフィン雑誌の表紙を飾る、巨大な波の頂上から果敢にドロップするサーファーの姿。波という定義を遥かに超えた、ジャイアント・ウェイブがブレイクするポイントが、世界にはいくつか存在する。
その海にパドルアウトを許されるのは、ほんの一握りのエキスパートのみ。さらに、未開のポイントに初めて挑むことができるのは、未知の恐怖に打ち勝つことに自分の命をかけた、数少ないレジェンドと呼ばれる男たちだけだ。名のあるサーフポイントには、そのような伝説が必ず刻まれている。『ライディング・ジャイアンツ』は、世界に名だたるビッグウェイブ・ポイントの伝説を追ったドキュメンタリーだ。
1950年代に、カルフォルニアからハワイに流れついたサーフ・ヒッピー達。ビーチで寝泊まりしながら徐々に開拓していったノースショアの物語は、古きよき時代への憧れ。そして、グレッグ・ノールがタブーを打ち破ってチャレンジしたワイメア・ベイのビッグウェーブは夢の物語。
サンフランシスコの南のマーベリックス。冷たい海が断崖絶壁に打ちつける、アウターリーフの巨大な波に、1975年からただ一人で向かい続けた、ジェフ・クラークの至高のストイズム。
そして、レイアード・ハミルトンという革新者による、トウイン・サーフィンの発明。ジェットスキーの牽引によって、人間の身体的な限界スピードを突破。初めて地球最大の波の速度に追いつき、ついにマウイ島のJAWS(ジョーズ)、タヒチのTeahupoo(チョープー)という未踏峰に人類が足を踏み入れる。特にTeahupooでのレイアードのライディング映像は、本当に凄まじい。こちらのページに写真が何枚かあるけれど、ダンプカーが余裕で通れるようなチューブの大きさ。水がどのような形に姿を変えるかという点でも、人間の想像を遥かに超えている。
出演するサーファーたちの、極限の集中力を支える意思の強さと、どこまでも透明な探究心が、画面を通じて伝わってくる。ステイシー・ペラルタ監督の入念な調査とインタビューによって構成された『ライディング・ジャイアンツ』は、サーフィンへのある種の信仰心すら感じる、サーファーのための聖典なのかもしれない。


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