DVDで、『ナイロビの蜂』という映画を見た。シティ・オブ・ゴッドのフェルナンド・メイレレス監督、数多くの傑作・スパイ小説を書いてきたジョン・ル・カレが原作。それだけでも傑作の予感がするところ、レイチェル・ワイズが本作で2005年のアカデミー助演女優賞を受賞している。
見終わった感想は、豪華な製作陣に対する期待をも遥かに上回る素晴らしさ。アフリカ、ケニアを食い物にする製薬企業と国家の癒着、腐敗と、それを追求する人々の愛、そして死。ジョン・ル・カレの重厚な原作が、メイレレス監督の独特なドキュメンタリー・タッチのカメラ演出と相まって、2時間を静かな緊迫感で包んでいる。『ロシア・ハウス』のような、緻密な陰謀ストーリーが練り込まれつつも、舞台となるアフリカの雄大さが、風景と共に、大地に立つ登場人物の人間性をより鮮やかに描き出している。
アフリカで表出する、先進国の矛盾というテーマでは、『ブラッド・ダイヤモンド』がテーマ的には近いのかもしれないが、『ナイロビの蜂』は派手なドンパチを排除するかわりに、スラムのリアリティ、貧困や暴力に対する無力と葛藤、それでも自分を突き動かす信念と愛情、そのような多彩な感情の起伏によって、見るものを揺さぶってくる。


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