年末年始のイギリス旅行から、写真をもう少し。
真冬のイギリスは、午後3時半になると日が落ち始める。ただ、太陽が地平線に落ちる角度が浅いので、そこから長いサンセットタイムが始まるのです。


雲の切れ間から差し込む光が、少しずつ色づき始める。モノクロームの風景に、筆をサッと走らせると、水彩絵の具が紙に染み込むように、じんわりと空に色が広がっていく。




なだらかな丘陵地帯をドライブ中だったので、小さな丘をひとつ越えるごとに、すこし色彩の異なった別の世界が、窓の横を通り過ぎる。いつの間にか、分かれ道を西へ西へと、あとずさる光を追いかけるようにハンドルをきっていた。この坂を登れば、日の沈む地平線を見渡せるに違いない。知らない土地で根拠もなく、そんな気がしては、またもうひとつの丘が目の前に現れる。



雨に濡れた道路が、空よりも明るく夕日の色を映し出す。雑木林の背後で、雲が赤く燃えあがる。巣に帰る渡り鳥たちが、群れをなして頭上を追いこしていく。牧場の囲いの中で、羊たちが静かに夜を待っている。そんな風景を、いくつも通り過ぎながら、ひときわ小高い丘を登りきると、赤く光る海をみつけた。



冬の海は、思いのほか穏やかに、太陽を見送っていた。わずかに吹く風は、頬に冷たく、心地よい夜の静寂を運んでくる。それは一生のなかでも、特別な夕暮れのひとときだった。

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コメント
めちゃくちゃきれいだなあ。ぜひモニターじゃなくて大判のプリントで見たい!
Thanks ! イギリスの写真は iPhoto Books にしてみようかな〜と思ってます。
ほんとに素敵ですね。
なんだかオーロラみたい。
見ていると自分がそこにいるような気持ちになります。
今年も楽しみにしています。