2009年3月21日

Don't make me think ! (ウェブユーザビリティの法則)

『つかいやすい』とは、どういう意味なのか。勉強するために何冊かの本を読みながら、実際にそれをトライしてみようかと思っています。というわけで、そのブログ記事の第一本目。最初の本は、原題『Don't make me think !』、邦題『ウェブユーザビリティの法則 改訂第2版』。著者自ら、「飛行機の中で読み切れるように」と言っているように、手軽に読み切ることができます。しかし、手軽に読んでもらうために、細かな手間を積み重ねるということ自体が、まさに本書の主題。

訳者あとがきによれば、「クルーグのユーザビリティ法則」とは(p.245)、

  • 第一法則:ユーザーに考えさせない
  • 第二法則:何回クリックしなければならないかは問題ではない。どのクリックも考える必要がなく、明白である限りは
  • 第三法則:各ページの言葉を半分にしたら、残りをさらに半分にせよ

また、別のページではWEBサイトを巡るありがちな宗教論争への解決策として、『平均的なユーザーという神話』というチャプターに続いて以下のように記している。

「大多数のユーザーは、プルダウンメニューが好きなんだろうか?」というような質問をするのは生産的ではない。正しくは「このページのこのコンテクストで、こんなアイテムとこういう表現を使用したこのプルダウンは、このサイトを使用するかもしれない大多数のユーザーに心地良いウェブ体験を与えるのだろうか?」と質問すべきだ。

ウェブユーザビリティの法則』 P.153より

個々のページで、具体的に『ユーザーを考えさせるものは何か?』をつきとめ、それを改善していく。そのために必要なのが、なるべく早いタイミングで始め、できれば月に一度、継続的に実施する、ユーザビリティテストである。つまりそれは、ユーザーを考え込ませないだけでなく、ウェブサイトを制作する側の人々をも、無益な議論から解放するためのテクニックなのだ。

書籍中盤の、具体的な問題解決のアプローチも面白くてためになるのだが、読みながら何度も「その通り!」と痛快に納得するのは、著者が実際にそのような現場での右往左往に数多く立ち会って来たからなのだろう。結局のところ、絶対的に正しい回答などない。さらに、ユーザーからしてみれば、そもそも制作者の意図を100%理解する必然性はないし、イラッとしたらブラウザのタブを閉じてしまえばいいだけなのだ。しかし、だからこそ、いかにユーザーが自信を持って、楽しくクリックしてもらうか、そのひとつのクリックに、沢山の工夫とクリエイティビティを込めることができる。それが最終的に、『なんとなく全体的に気持ちがいい』ウェブサイト、ひいてはユーザーからの信頼感につながっていく。

最後に、著者のウェブサイトでも公開されている第二章から見出を引用。

How we really use the Web

Why are things always in the last place you look for them?
Because you stop looking when you find them.
探し物がいつも、最後に探したところで見つかるのはなぜ?
見つかったところで探すのをやめるから
--Children's riddle(なぞなぞ)

  • We don't read pages. We scan them.
    人はページ内の文章を読まない。ざっと見るのみ。
    • We're usually in a hurry.
      たいてい、急いでいるから
    • We know we don't need to read everything.
      全部読む必要がないのを知っているから
    • We're good at it.
      なれているから
  • We don't make optimal choices. We satisfice.
    人は最良の選択に時間をかけるよりも、ある程度満足できるところで妥協する。
    • We're usually in a hurry.
      たいてい、我々は急いでいる
    • There's not much of a penalty for guessing wrong.
      見当違いをしたからといって、たいしたペナルティがあるわけではない
    • Weighing options may not improve our chances.
      選択肢を比較検討しても、勝算に大した差が無いかもしれない
    • Guessing is more fun.
      推測するほうが楽しい
  • We don't figure out how things work. We muddle through.
    人はものごとの仕組みを理解しない。何とか帳尻を合わせて切り抜ける
    • It's not important to us. For most of us, it doesn't matter to us whether we understand how things work, as long as we can use them.
      ものごとの仕組みを知らなくても、めったに問題が起きないから。
    • If we find something that works, we stick to it.
      何かうまくいくのがわかったら、そのやり方に固執するから
  • If life gives you lemons...
    これら人生の真理に打ちのめされたのなら・・・
    • if your audience is going to act like you're designing billboards, then design great billboards.
      もし私たちが相手にしている人々が、我々のデザインしたものを看板のようにしか扱わないのだったら、素晴らしい看板を作ろうじゃないか

Sample chapter from Don't Make Me Think』 より

著者のページ : Advanced Common Sense Home

photo
ウェブユーザビリティの法則 改訂第2版
中野 恵美子
ソフトバンククリエイティブ 2007-03-01

誰のためのデザイン?--認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書) ユーザビリティエンジニアリング原論--ユーザーのためのインタフェースデザイン (情報デザインシリーズ) About Face 3 インタラクションデザインの極意 ラピッドデベロップメント--効率的な開発を目指して (MicrosoftPRESS) 人月の神話--狼人間を撃つ銀の弾はない (Professional computing series (別巻3))

by G-Tools , 2009/03/21

 

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作成日 : 2009年3月21日 18:09

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