前回の記事『ウェブサイトの情報を構造化する5つのパターン』に引き続き、ウェブサイトの情報設計についての勉強エントリーです。今回は、ウェブサイトで公開する情報、コンテンツをどのように定義するか。
情報設計の三要素 : Context, Content, Users
『 Information Architecture for the World Wide Web 3e(Chapter2, p.10)』では、情報アーキテクチャを構成する要素として、Context, Content, Users をあげています。

Context は、ウェブサイトを運営する組織が、何を目標としているのか、その組織としてのミッションをベースに組み立てられます。どのような方法で、何の価値を生み、また、どういった組織文化をもっているのか。さらには、(企業であれば)他社に比べて、どうユニークなのか。今は何が強みで、将来的にどこに向かっているのか。あるいは、人員、技術、予算面などでの制約や、必要なプロセスなどの制限事項も含まれます。そのような、個々の組織のコンテキストにあわせて情報設計がなされるべきであると。
User は、ウェブサイトを訪れるユーザーや、サービスの顧客が、どのような属性をもっているのか。いつ、どのようにウェブサイトを利用しているか。そして、最も重要なのは、どのような情報を、ユーザーが求めているのか。
Content
Content については、以下の6つの側面から定義づけられている(Chapter2, p.13)。
- Ownership(所有者)
誰がそのコンテンツを作成し、管理するのか。一部門で集中しておこなうのか、各部門に分散しているのか。社外のコンテンツも含まれるか?ライセンスは? - Format(フォーマット)
コンテンツの形式。文章、写真、ビデオ、あるいはMS WordやPDFなどの特定のファイル形式など。 - Structure(構造)
コンテンツは、その種類によって独自の構造を持っている。例えば、100文字足らずの重要なメモもあれば、何百ページにおよぶ製品マニュアルもある。 - Metadata(メタデータ)
既存のコンテンツが、どの程度、分類されているか。カテゴリーやタグ付けはされているか。そこで使われている用語は統一、管理されているか。現状の管理体系を、ウェブサイトでのコンテンツ整理にも役立てる。 - Volume(量)
対象にするコンテンツのボリューム。十数ページの文章と、数百のカタログ情報では、適する管理方法は異なる。 - Dynamism(変化)
どれぐらいの頻度でコンテンツが作成され、各コンテンツはどのぐらいの寿命があるか。
ナビゲーション設計からみた、コンテンツ分析
一方、『デザイニング・ウェブナビゲーション --最適なユーザーエクスペリエンスの設計(p.166)』では、ナビゲーション設計の観点から、以下のようにコンテンツを分析します。
- 頻度(Frequency)
コンテンツが生成される頻度。情報が頻繁に更新される場合は、適応型ナビゲーションメカニズムなどの動的なものが適しており、柔軟性も求められる。 - 寿命(Longevity)
すぐに時代遅れになってしまうコンテンツよりも、価値が長持ちするコンテンツを扱うほうが、ナビゲーション設計の計画は立てやすくなる。 - 量(Quantity)
対象の分野での、平均的な文章の長さや、適切な情報の量。サイト全体での典型的な量を把握することで、ページの長さがコンテンツをまとめる単位を判断できる。 - リンクと相互参照(Linking and Cross Referencing)
対象の分野で、引用や参照、情報のリンクがどのような意味合いを持っているか。学術論文では引用は大きな意味をもつが、ニュースなどでは相互参照の意味合いは低い。 - 権威性(Authority)
内容に関する信頼性を向上させるために、どのような権威性が重要か。重要人物の名前や、検証方法などを考慮してユーザーをナビゲートする必要があるかどうか。 - ジャンル(Genres)
対象とする領域での、標準的なジャンル分けや、一般的な文章形式があるかどうか。
まとめ
二冊の書籍は、それぞれ、情報設計とナビゲーション設計という面から、コンテンツを定義しています。以下の表にまとめてみました。確かに、コンテンツの状況を分析、定義するのに役に立ちそうです。
| Information Architecture | デザイニング・ウェブナビゲーション |
|---|---|
| Ownership(所有者) | |
| Format(フォーマット) | |
| Structure(構造) | |
| Metadata(メタデータ) | ジャンル(Genres) |
| Volume(量) | 量(Quantity) |
| Dynamism(変化) | 頻度(Frequency) 寿命(Longevity) |
| リンクと相互参照 (Linking and Cross Referencing) | |
| 権威性(Authority) |

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