2009年12月23日

リアルタイム情報のソーシャル探索と、成長のためのフレームワーク

法政大学ビジネススクールで教える友人の講座で、先週、ゲストとして講義をしてきました。Web制作や企業のCGM活用など、主にビジネス的な側面からみたMovable Typeの役割についてまとめてみました。せっかくなので、ブログでも公開してみます。プレゼンテーション自体は、Slideshare 『Movable Type 成長のためのプラットフォーム』で。

以下は、Movable Type というプラットフォームだけに留まらず、Webビジネス全般に共通する部分を抜き出してサマリーしてみます。

CGMの活用で、変化の遺伝子を組み込む

ブログが本格的に普及して5年以上がたちます。成功したビジネスブログの特徴として、長く続く、継続的な関係を読者と築いていることがあげられます。有名な事例として、RICHOのGRブログがあります。

richo-gr-blog

GRブログは、開設から4年が経過した今でも、非常に活発なコミュニケーションが続けられています。GR Digital というデジタルカメラは、現在すでに3世代目。単一のモデルのライフサイクル、あるいは製品ラインナップを越えて、企業とユーザーが対話する場となっている。

IAアーキテクトのDonna Spencerさんは、『Four Modes of Seeking Information and How to Design for Them - Boxes and Arrows: The design behind the design』で、人が情報を探すときには以下の4つのモードがある、と述べています。

  1. Known Item
    探す内容を理解している(機種毎の性能表)
  2. Re-finding
    見たことのある情報(買う前にもう一度確認)
  3. Exploratory
    探しながら理解を深める(自分の用途にあったカメラは?)
  4. Don't know what you need to know
    何を探すか把握していない(なんとなくデジカメが欲しい)

この内の、1. Known Item と 2. Re-finding に関しては、Richoの企業ホームページおよび、GR Digitalの製品サイトが答えを提供している。

find-on-site

しかし、3 Exploratory と 4. Don't know what you need to know という、曖昧な情報の探索にたいしては、通常の製品サイトだけでは完結することができない。

ソーシャル探索

曖昧な情報の探索においては、ブログ、SNS、掲示板、マイクロブログなどの様々なソーシャルメディアの役割が増しています。

social-search

ソーシャル探索は、通常の企業ホームページの閲覧とは異なる特性をもっています。

個人的

曖昧な情報を探すときには、対話が重要。利用する場所や、用途、あるいはユーザー像などをイメージできると、単なる情報ではなく、個人的な体験として内容を理解することができる。

social-personal

具体的

内容が具体的であること。製品カタログでは紹介しきれない、細かい部分を、詳しく説明できるのがWebの長所。そして、そのようなディテールこそがユーザー体験のなかで、重要な位置を占めています。また、ユーザーからコメントやトラックバックをもらうことで、個別の機能の問題点や改善点を知ることができます。

social-specific-item

イベント発生的

個人的かつ具体的な情報に、どうやってたどり着くか? そのためのフックを提供する。季節感やイベント性の高いアクションを定期的に発信することで、「たまたま知った」ユーザーを継続的に獲得できます。

social-event

リアル&タイムリーな情報発信

ユーザーのソーシャル探索に、企業が答えるためには、単に流行しているサービスに広告を載せるのではなく、自ら積極的に情報を発信する体質になることが重要です。

social-realtime

ユーザーとのリアルタイムな関係性から、Webサイトや製品を即座に改善する。そうすることで、フィードバックの効果を認識したユーザーから、さらにフィードバックが集まるという、ポジティブなスパイラルが発生します。

変化に適応するWeb制作と運営

リアルタイム性の高いWebサイトを運営するためには、どのような仕組みが必要なのでしょうか?

定期的な更新の無いサイト

定期的な更新の無いサイトは、集客をリニューアルと広告に依存することになり、集客コストの費用対効果は一定のまま改善しません。

access-occasional

変化に適応するフレームワーク

ウェブサイトを構成する要素を分類すると、サイト構造などの変化しづらい層から、ブログ記事のように変化が早いコンテンツまで、様々なレイヤーに分かれます。変化の速度にあわせて、レイヤーを体系的に管理するPace Layering という概念があります。もともとは、建築業界で提唱されていた概念ですが、Web制作の情報設計に導入されています(Web Usability - The Evolving Web)。

pace-layering

フレームワークとしての CMS|ブログ

CMSやブログは、ウェブサイトの構成要素を体系的に管理するための仕組みです。Pace Layering が概念的なフレームワークであるならば、CMSやブログなどのソフトウェアは、いわばその概念の実装であるといえるでしょう。ブログはその中でも、特に変化が速いコンテンツ(日記)から発生したシステムです。

framework-and-blog

フレームワーク導入によるコスト削減

Pace Layering 的な概念を取り入れた運営体制や、CMSあるいはブログの導入によって、Webサイトはより変化に適応しやすくなります。リニューアルの度にすべてを作り直すのではなく、必要な場所を、随時更新できます。また、現場の担当者が直接コンテンツを投稿することで、運用のノウハウが蓄積され、サイト運営の効率が高まります。

framework-to-lower-cost

更新頻度とリピート率のアップ

コンテンツの更新をユーザーに通知する手段は近年さらに増えています。RSSとフィードリーダーだけでなく、TwitterやSNSへのクロスポストをおこなうことで、読者は自分の好きな方法で、更新を知ることができます。一度、関係性を築くことができれば、読者は定期的にWebサイトを訪れてくれるようになるでしょう。

access-grow

Web制作の分業体制

Webサイトの役割が大きくなるにつれ、関係者も増えてきます。Webサイトの制作、運営は、それぞれ専門的な技能をもったメンバーによるチームワークが重要です。

Web チームを成功に導く9つの柱

adaptive path » the nine pillars of successful web teams』で、Adaptive Path の Jesse James Garrett氏は、Web チームが成功するための9つの柱をあげています。

9polls

分業体制

今日のWeb制作では、チームが複数の企業、あるいはフリーランスのメンバーによって構成されることが珍しくありません。

9polls-coorpolation

Movable Typeは、ソフトウェア開発に特化することで、『技術戦略』と『技術の実装』という面から、Web制作を支援しています。

cooperation

Movable Type は自由に拡張可能なフレームワークをもっており、プラグインあるいはテーマなどを活用して、独自のアプリケーションを開発することができます。分業体制といっても、その枠は柔軟で、Web制作を通じて蓄積した技術力を活用してソフトウェア・ベンダーになることも可能なのです。

mt-framework

以上がダイジェストになります。より詳しくは、以下のプレゼンテーションをご覧ください。。

 

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作成日 : 2009年12月23日 17:59

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