Webは(繰り返し)死に、インターネットが進化する

LeWeb 2011の講演『Three Social Thunderstorms』で、Forrester Research のCEO、George Colony氏が、「Webは死に、App Internet の時代が来る」と宣言しました。これに反論する記事が何本もHacker Newsでフューチャーされたり、面白い展開になっています。個人的にも、Colony氏の主張はロジックがシンプルで刺激されたので、考えをまとめてみる。

ストレージとプロセッサがインターネットの進化を加速する

Colony氏の根拠は、以下のシンプルなグラフ。「ストレージ(S)とプロセッシングパワー(P)の進歩の速度は、常にネットワーク(N)のそれを上回り、その差はさらに拡大する。」したがって、イノベーションの主軸は「faster, simpler and better Internet experience(速く、シンプルで、よりよいインターネット体験)」をもたらすApp Internetに移行するだろう、というもの。

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今年の始めに、『Webは、もはやひとつではない』という思いつきを書いていますが、その断片的な思いつきが、Colony氏のロジックで相互にリンクしたような気がしました。

App Internet の規模

Colony氏の講演を聞いて、『ソーシャルとモバイルの世界で、現在、1秒間に何が起きているのか』で調べたデータを踏まえ、改めて数字を集めてみました。2012年の伸びも想定しつつ、いくつかは推測の数字も入っているけれど、こう見ると確かに近い将来、App Internet がWebを逆転する日も来るのかもしれない。

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世界人口70億人に対して、Facebookは2010年に10億ユーザーに到達するという予測は、最初に聞いた時は驚いたけれども、こう並べてみると、Facebookだけでなく、10億クラブに向けた競争は、すでに間違いなく始まっている。GREEの田中さんは、今年夏の東京ゲームショウから10億ユーザーという目標を強調しているけれども、これは実は経営者としては、かなり現実的なビジョンなのかもしれない。

Webは死なない、という反論

もちろん、Colony氏の宣言に対しては、様々な反論がでている。

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代表的な反論としては、URLで自由にリンクされたオープンなネットワークであるWebの方が強い、という Dave Winer氏の意見。

10月に電子出版されたLUKE WROBLEWSKI氏のA Book Apart, Mobile Firstでも、「Webとアプリは相互補完するし、できるなら両方やるべき」と述べています。また、Geolocation API(位置情報)など、ブラウザからネイティブの機能を利用するWeb標準APIが整備されたり、HTML5+CSS3でアプリ的なユーザーインターフェースを実現することもできる。

Geolocation API

ただ、こういった指摘は、議論としては少しレイヤーがずれているような気がします。また、App Internetの欠点とされている相互リンクについては、Webを上回る新しいリンク方法が生まれていると思うので、この点は、次の記事でまとめる予定。

インフラとしてのインターネットを、iOSとAndroidが拡張する

同じくLeWebの Eric Schmidt氏(GoogleのCEO)と Loic Le Meur氏の対談で、Loic氏の「政府に希望することはあるか?」という質問にEric Schmidt氏が「ブロードバンドを整備し、インターネットを無用な規制で壊さないでほしい」と答えています。「あとは全部自分たちでやるから」という強気な発言でもあるのですが、実はモバイルインターネットに関しては、いつの間にか、このような状態になっているのに気づきます。

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モバイル通信キャリアは、iPhoneが快適に使えるネットワークを整備しなければ、顧客を獲得できない。端末供給の条件としてOSの改変を許さない(iOS)、あるいは、リファレンス機をつくるメーカーを優遇する(Android)ことで、アプリケーションが必要なハードウェア環境を整備する。

つまり、モバイルインターネットは、すでにApp Internetのインフラとして再構築されつつあるのではないでしょうか。個人的には、その最終形態はグローバルで完全なsimフリー環境が整備されることだと思っていて、Kindleがすでにそうであるように、simカードがApple、Google、Amazon、Facebookから提供される日が来るのでは無いかと思っています。(続く...)