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July 19, 2004
ピナ バウシュ「パンドネオン」を観ました
ピナバウシュの「パンドネオン」を観にいきました。これ、2月頃の先行予約でとってもらったお席で、いかなるものか楽しみにしていた舞台でした。というのも、かなり私に大きなインスピレーションとなった方が講演会の場でピナバウシュの生命力というかアートについて語っていたのが記憶に残っていたからです。
ということで、いざ行ってみたわけです。一言で言うと、本当にビックリしました。まず、前半と後半がそれぞれ1時間強あるのですが、休憩のときに一緒に観ていた方と「うーん、これってなぁに?」と言い合いました。私は、色々と観ているし柔軟な方だと思うけれど、「うーん、これって誘ってよかったのかなぁ」と少し謝りそうに(実際そうしたと思う)なったのです。ただ、感覚的に感じたのは、「きっとこれはコンテンポラリーアートと同じで、何も知らないからわけが分からないのだろうなぁ」と。そして、ハテナはてなが頭を駆け巡るまま後半が始まり、こちらは、もう、私と数人の人は涙が出るほど笑ってしまう場面があったり、そこに存在する空間と客席の距離のなさがおもしろかったり、かなり引き込まれるものがありました。
パンドネオンという作品は、ピナバウシュの表現世界であるタンツテアターのすべてが網羅されている言われる作品で、10年ぶりの再演がここ東京で実現したのです。両のほほを打ち合う男女、床に身を投げ出しわめく女性、人々の拍手喝采を一身に受け満足する女性、過酷なレッスンを再現する女性、ねずみに向かって話し続ける女性、ブリッジをつづける男性、サッカーについて説明をする男性。彼らはそれらの動きの間に官能的なダンスを踊る。男性は片手でパートナーを持ち上げ、女性は、無表情に持ち上げられるままにしている。何の感情もない、というか、そこには感覚を失った悲しさのようなものが感じられる。そして、その直後に、女性は両の手足を男性に絡みつける。そして、また静かに床に降り、二人はわかれる。このダンス、諦めの愛情を感じてしまって、後から少し悲しくなってしまいました。後から、というのは2,3日後。そう、この舞台は、本当に???があるのですが、頭の中に静かに残っていて、何でもないところで思い出されるのです、例えば清里とかセブンイレブンのレジとかベッドの中で眠る前とか。悲しくて誰かと一緒にいたくて実際に一緒になっているのに、そこには「どんなに一緒であっても結局私は私でしかない」という一人を意識した人々の姿が描かれているように感じたのは私だけでしょうか?
さて、この驚きの舞台、私は観にいく機会に感謝しています。そして、「これってコンテンポラリーアートみたい」と思ったことは間違っていなかったように思うのです。仕事を通して、時々このようなことを言われます。「現代アートってよくわからない。でも、好きか嫌いでいいんだよね」」と。少し前までは、「そうですね」と思っていたけれど、このところその考えを改めています。「最初は好きか嫌いでいいかも知れない。でも、作品や作者の背景をもっと知れば感じられることや読み取れる事が増えますよ」と「どう説明していいかわからないもの」に触れる機会がぐぐっと増えた私は思っています。パンドネオンについて、ピナについてあまりにも不勉強だから、???となったのだけれど、少し資料を探してみようと思っています。
身体と心が、ただただおぉーとビックリする機会がなかなかない日常の中でのちょっとしたゆすぶりでした。
そうそう、ティッシュを鼻につめた男性が日本語で「あなたにとってのマリアとは?」と最初に聞いて周るのですが、その答えもすべて日本語で、ヴィジュアルと音のギャップに戸惑いました そういわれたことはあるけれど、自分で経験したのは初めて(笑)
◇◇◇ピナバウシュは、1940年ドイツのゾーリンゲンに生まれ。ヴッパタールに近いエッセンのフォルクヴァンク芸術大学でドイツ表現主義舞踊の巨匠クルト・ヨースに師事。18歳から2年間国費留学生としてニユーヨークのジュリアード音楽院 舞踊科で現代舞踏を経験後に帰国している。その後は、プリマバレリーナ、教授となり、1969年に「時の風の中で」という作品の振り付けがコンクールで1位を獲得したのをきっかけに、ヴッパタール市立劇場バレエ団(後に「タンツテアター・ヴッパタール」と改名)にて自分の世界を広げていくことになった◇◇◇
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投稿者 asaka : July 19, 2004 8:29 PM
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