肌で色を感じる展覧会: 「COLORS ファッションと色彩」展

 色、は私たちの心に大きな影響を与えることは、意識していようといまいと事実だと言えるでしょう 色は古くから多くの意味を持ってきたこともひろく知られていることです ある国で色のもつ意味が別の文化では正反対を表すこともあります(例えば中国の黄色は高貴を意味しながら、中国ブームが起きる以前のヨーロッパでは狂気を意味していた) 人々の心をとらえ、時代を映し出し、その色を身にまとう意味を生み出してきた「色彩」、そして、その体現のひとつとしてのファッションに着目した展覧会が「COLORS ファッションと色彩:VIKTOR&ROLF&KCI展」です。
 フォルムや機能が重視されてきたファッションは、近年になってから「カタチ」ではなく「色」が着目されるようになってきた。京都服飾文化研究財団(KCI)の約11,000点の収蔵品から選ばれた87点を通じて、この展覧会ではこれまでとりあげられることのなかった「色彩」と「ファッション」の関係を考えさせる。黒/青/マルチカラー/赤と黄色/白という五の色を「体感」してみてください。17世紀から現代までの作品、大画面で映し出されるゲストキュレーター ヴィクター&ロルフのコレクション映像&音から、本当に、色を 体で感じることができますよ。

ちょっと模擬展覧会(見る前に読みたくない方はパス、でも、意味が分かった方が好きな方はどうぞ!)
 今回の展覧会でゲストキュレーターをつとめるヴィクター&ロルフは、オランダでデビューして10年になるデザイナーです 最初の部屋に、彼らの作品とともに写真がありますが、どちらがヴィクターかロルフかわからないくらい似ています 専門店を日本に持たない彼らですが、毎回のコレクションは大注目です 作りだされる洋服の美しさはもちろんのことながら、色彩のテーマ、打ち出し方(見せ方)が非常に上手なのです 
 さて、最初の展示室に入りましょう 天井が低くなっているのに気がつきましたか? これは、「ここから別世界に入りますよ」ということをあなたに感じてもらうためなのです グレーの色は、「何にも属さない色」つまり、どの色へもの入り口、という意味を持っているように思います そして、一歩踏み込むと、V&Rの作品が見えます 8枚の襟を重ねたスーツは、色の移り変わりを示す作品です その後ろの二人の写真を見てみてください 自分たちの記事や写真がそこら中にあるのが見えますよね 自分たちのことが大好きなのです!
 グレーの部屋から一歩進むと、そこは、真っ黒な部屋です 黒という色の持つ威力を感じさせるVTRは、V&Rの知名度を上げることとなった「ブラックホールコレクション」の映像です 目をのぞき、すべてを真っ黒にしたそのコレクションと同様にここに集められた衣服は、黒が与える厳格さ、エレガンス、反抗などのイメージを表しています 
 マルチカラーの部屋に移りましょう ファッションは、単色が上等で、いくつもの色を組み合わせるのは下品だと長く信じられていました ここに展示される服は19世紀の科学染料の発見、染色技術や色彩論の発達で実現した多彩な色彩の組み合わせを紹介します 色を好きなように着られる時代 それは、自由の時代を表しているのです
 次は、青の部屋です 私が一番好きな空間です 時間がある方は、コレクションを全部見てください 「ファッションはファンタジーや夢」という彼らの言葉を際立たせるV&Rのコレクションに感動します  彼らの洋服に使われている青い生地は、天気予報やテレビで人と背景に映像を合成させるブルースクリーンなのですが、正面から見ると映像が、横から見ると青が見えるコレクションなのです そのVTRを背にしてギャラリーを見てみてください 夜に訪れた場合、彼らのコレクション映像が、東京の夜景を見せるガラスに反射するのが見えます これがなかなかのみもの そうそう、個々に飾られた衣装も美しいです 青は、自然界にない色で、科学染料が開発されるまでは苦労して手に入れる高価な色だったのです 青がもっとも身近になったのが、私たちになじみ深いインディゴなのです ギャラリー入り口の一番最初の青色ニットは、この展覧会で最も古い衣装のはず!
 穏やかな青から一歩進んで、赤/黄の部屋へ入ります 人々が熱狂し、奔走した色の歴史が蘇ります 赤は古来から人が追い求めた色です 実は、ある虫から色を抽出していたってご存知でしたか?この虫は、地中海やメキシコに生息していて、赤が高価な色だったことがわかります 隣の黄色は、色彩が時代、地域の違いによってどのように受け止められていたかを感じさせるコレクションです 異端の色だった黄色は、18世紀に流行した中国趣味によって、一躍ファッショナブルな色としてもてはやされます 赤や黄の染料とともに導入された東洋や新大陸の文化が、西洋の色彩感に影響を与えたのです
 そして、最後は白 純潔性を表すこの色は、「始まりの色」という意味合いで使われています 世紀の変わり目にはいいつも白が流行したそうです ブラックホールコレクションの次にV&Rが行った白のコレクションも2001年に行われています また、その年はほかのメゾンでも白が多く見られたようです 
 日常的に、意識して色とつきあっている方だと思います 自分に不足した色(チャクラ的な意味)を感じて衣服で補ったりすることもあります 小さな面積でも色の持つ力を感じる方ですが、この展覧会の空間/質感の規模で色を感じたことはなかったので、体がびっくりしました 時間が許せば、V&Rのコレクションと音をゆっくり楽しんでください! 

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