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November 29, 2004
時を切りとる 木村伊兵衛展
机の前にはってあるちらしには、馬の後ろ足と日本の町並が映っている
セピアの世界は、何十年も前の一瞬を捉えている
あ、この瞬間を生きた人がいたのか
時々不思議な気持ちになり
思いをはせているそのひと時、私は別の世界にいるのだと思う
エントリーをふりかえっていて気がついたことがひとつ
アートにかかわる立場として、純粋に好きなものとして
アート関連のエントリーが多いのは不思議ではないけれど
どうも時をきりとるもの、時空を超える内容に心をひかれるようだ
そういえば、時を切り取る、で
子どもの頃のビデオを最近みたときに怖くなったことを思い出した
夏の瀬戸内海でイトコたちとはしゃぐ私も弟も
本物だった
そのまま、そこに、あのときの私たちが
そのまま、生きていた
大きくならずに「そのまま」
ぞっとしたあとに、懐かしい思いが怖さを覆ったけれど
時々あの一瞬の凍りつくような気持ちを思い出したりする
写真も同じ
あの馬は、絶対に同じ角度で、同じ土ぼこりをあげることはない
あの瞬間は戻ってこない
あの瞬(とき)は本当に美しかった
怖いのは、あの時が本当なのか嘘なのか
嘘のように時が過ぎているのに、そのまま、ぬくもりも息遣いも
生も感じることができるからだと思う
肌に感覚が戻ってきてしまうからだと思う
死んだ時間が生き返ると言ったら言い過ぎだろうか
時間は死なない?
うつろうものはとても美しいと思う
美しい瞬間を凝縮した絵(映像/音等含む)が怖いのは
なくなったものへの郷愁幸福のかたまりが
胸に飛び込んでくるからかもしれない
素直にそれを楽しむ前に胸がきゅんとするのはメランコリーな性質だろうか
木村伊兵衛展
2004年10月9日(土) -12月19日(日)
東京国立近代美術館
本館 ギャラリー4(2階)+ 所蔵品ギャラリー(4,3階)
投稿者 asaka : November 29, 2004 6:51 PM
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