マルタ 1:マルタ島のこと
『旅のはじまりは、ロンドン』からつづく
ロンドンから約3時間、飛行機は晴天のマルタに到着した。マルタは、シチリアより南にある小さな島で、独立した共和国だ。マルタ語の他、英語が公用語。
地中海の要所にあるマルタは、地中海貿易で栄えた後、870年にスラム帝国に支配された。言葉や地名にアラビックの影響が見られるのはこの頃の名残だと思っていたが、紀元前1000年頃のレバノン一帯を収めていたフェニキア支配の影響だと知った。
その後、12世紀にはノルマン人が入ってくる。16世紀にはヨーロッパから聖ヨハネ騎士団(後のマルタ騎士団)が入ってくる。その後はオスマントルコの攻撃にも耐え、マルタにカトリックの影響が深く残る。近年にはナポレオンに支配され、その没後から1964年の独立までイギリス領となる。
第二次大戦中は、とにかくひどい空爆にあったらしい。各地に「戦争の壁」(Wall of war)というものがあった。空爆で壊れた家の石を使った塀や壁をそう呼んでいるのだ。陥落せずに持ち堪えた国民の努力に対して、英国のジョージ6世が「ジョージ十字勲章」を全国民にあげたという話を出発前に聞いていた。マルタの年配の方は、戦争のこと、イギリス時代の良いこと悪いこと...色々と記憶にとどめていた。この土地には、歴史がつながっている感じがする。どこにも歴史はあるけれど、綿々とつながっているものが体感できる、そんな土地だ。
マルタは、ちなみに、イギリス人にはとても人気のある島だ。エリザベス女王が即位前に、フィリップ王子と新婚生活の数ヶ月を過ごしている。女王たちが住んでいたピンク色の家を車の中から見た。結婚60周年にあたる2007年にもエリザベス女王はマルタを訪れている。
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