つきあいはじめのような

忘れる前に書こうと思う。10月のある土曜日に、思いがけず時間ができた日のこと。4、5時間だけ。緊張感の伴う終わりが決まっていて、それからしばらく一緒に何かができないとわかっていたのでふたりとも妙に集中していた。

画材屋さんでノートとシャープペン(ロットリングの製図用ペン)をおそろいで買い、「崖の上のポニョ」を見て、16時半から常連さんらしい人ばかりが揃ううなぎ屋さんを訪れ、時計をちらっと見ながらコーヒーを飲み、ちらっとまた恨めしげに時計を見て半泣きになり、彼は困った顔をしつつ笑って頭をなでてくれた。つきあい始めた頃、約束してどこかで会い、帰る時間が決まっていた時の気持ちに似ていて、今もとても幸せだけれど、あの頃も一生懸命で幸せだったなぁと不思議な懐かしさをもって思い出す。自動的に生きないこと。などと自分に言い聞かせる。

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