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2003年11月07日

ソーシャル・ソフトウェア(Social Software)の難しさと可能性

ブログ=日記という説明は一面的だと思うのですが、ソーシャル・ソフトウェア(Social Software)という言葉あるそうです。必ずしもブログ=ソーシャル・ソフトウェアと呼ぶのは正しくないのかもしれませんが、アイデアとしては近いものがあるので簡単にまとめてみます。ソーシャル・ソフトウェアという言葉自体の出典はShirky氏のweblogなのでしょうか?

Social Software and the Politics of Groups
by Clay Shirky

Social Softwareの定義としては、
Social software, software that supports group communications, includes everything from the simple CC: line in email to vast 3D game worlds like EverQuest, and it can be as undirected as a chat room, or as task-oriented as a wiki (a collaborative workspace). Because there are so many patterns of group interaction, social software is a much larger category than things like groupware or online communities.
Social Softwareとは、グループでのコミュニケーションをサポートするものであり、eメールのcc:からエバークエストのような3Dオンライン・ゲーム、自由なチャットルームや、WiKiのように特定のテーマについてまとめるための仕組みも含む。グループ間の相互作用が色々なパターンがあるように、Social Softwareはグループウェアやオンラインコミュニティーよりも、より大きなカテゴリーを指し示す。

記事の中では、なぜSocial Softwareを開発するのが難しいのかも説明されているので、簡単に意訳してみます。
インターネットはもはやglobal village(グローバルな村)というよりは、global metropolis(グローバルな都市郡)である。広大かつ異種混合で、メーリングリストなどの個別のコミュニティーは、趣旨から外れたトピックによるハイジャックやスパムメールなどの問題に対処する必要がある。コミュニティーの規模も、ある一定を超えて拡大するのは難しく、参加するための手続き、バリアーは必要だが、難しすぎてもいけない。
Social Softwareが、個人向けのソフトウェアに比べて開発が遅くなるのはやむを得ない。ユーザー・エクスペリエンス向上させるアイデアの方が、グループ・エクスペリエンスを向上させるアイデアより容易に思いつくし、組織構成よりユーザー・インターフェースを考えるほうが、より具体的なアプローチをしやすい。したがってワードやエクセルの機能は劇的に改善されたけれども、メーリングリストはほとんど進化していない。
次の二つの問いを考えることが有効だろうが、おそらく様々な回答が存在するのも事実だろう。
"How can we test good group experience?"
=よいグループ・エクスペリエンスをどのようにテストしていけるか?
"What kind of barriers work best?"
=参加するための手続き、障壁はどの程度のものがうまく機能するか?

ユーザー・エクスペリエンス & グループ・エクスペリエンス,ユーザーインターフェース & 組織構成という二つの対比で、Social Sofewareというものが何に取り組むモノなのかを理解できます。個人向けのソフトウェアは、個人の仕事、行動、目的を観察して、より能率を上げるための手段=道具(Tool)として具体的に開発することが可能ですが、集団,組織の場合は、そもそも目的や行動そのものが曖昧かつ、予測不可能なケースも多いのでしょう。
P2P系のアプリケーションではGrooveなども話題になりましたが、まだメーリングリストのように一般に広く普及するレベルではなく、企業組織内でのコミュニケーション改善という限定したフィールドで、かつコンサルティングを入れないと、なかなかうまくワークしないようです。おそらくこの”コンサルティングを入れないと”という部分が重要で、個人の行動以上に多様性を持ちうる、組織の行動にどうアプローチするべきか、様々な分野でフィールドスタディー的なトライアルが必要になってくるのでしょう。同様の流れとしてはWiredの記事で、BBCがソーシャル・ソフトウェア的なサイトを提供しはじめたというニュースがありました。BBC(国営放送)が場を提供する、ということに賛否両論はあるようですが、着眼点として”草の根活動”=まずは小規模で生活に密着したレベルから、ということをマスメディアがサポートする、というアプローチは面白いのではないでしょうか。


BBCの「草の根活動支援サイト」がスタート(Wired News)

「結局、あらゆる政治は地域に関わるものだ」と、コラボレーション(共同作業)ソフトウェアのメーカーである米ソーシャルテキスト社のロス・メイフィールド最高経営責任者(CEO)は言う。「人々は、近所の人たちが共通の政治的問題を抱えていることに気がついていない。その橋渡しをし、政府に対して行動を起こす手助けをするようなものは何であれ、非常にパワフルな手段になり得る」


”気付いていない”のと”便利な手段になりうる”という二つのポイントは、サービスがヒットする要因として重要でしょう。逆に言うと、様々なアプローチを取る必要があるからこそ、単純な先行者利益だけでは終わらない、面白いビジネスの可能性があるのかもしれません。

- Socialtext(アプリケーション)

- ソーシャル・ソフトウェアとは(マルチメディア・インターネット事典)

- Venture Lab: Social Networking

Posted by jkanekomt at 2003年11月07日 15:06 | trackBack



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