自然と人間社会の接点となるエリアでの、水とエネルギーの自然循環

スペイン マドリッドの郊外、水が無く植物が育たない土地に、住宅からの下水道の二次処理水を利用した水の公園を作るというプラン。慶応大学の石川幹子研究会の提案が、EU環境基金のサポートを受ける国際公園設計コンペティションで採用されたとのこと。

一つ目は生命の要となる「水」。標高の高いところ、低いところ、そして大地を潤すところ、それらを一つの「water tree」というモジュールとしました。水がどれだけ流れて、供給される水の量に対してどれだけ浄化されるか、それを一つのモデルとして設計します。この「water tree」を通じ、無尽蔵にある下水道の二次処理水を湿地植物の中を貫流させ、浄化を行なうのです。
そして、二つ目は「生物多様性」です。上で述べたモデルは非常に単純ですが、それを地形に当てはめてみると、多様な生物が生息する環境を作りだせることがわかりました。地形は陽の当たり具合など始めどこも条件が違っています。この条件の違いと土壌、水の流れのモデルを利用して無限に生物多様性を追求することができるのです。

SFC Headlineより

石川教授の研究会のホームページでは「東京ウォーターフロント」というプロジェクトの一環で、「水に関する言葉」、「水に関するビジュアル表現」などが集められていて面白いです。他にもGISを用いた鎌倉市の自然環境、生態系のデータベース化とビオトープマップの作成によって、ビジュアル的に生態系を見ることができるそう。

一方で海上保安庁は、灯台など僻地施設の自然エネルギー利用を促進しています。自然環境と人間社会の接点を、水やエネルギーの循環といったフロー面から検討する。限定されたエリアからのスタートとはなるでしょうが、徐々にこういった自然の自立循環にフォーカスした視点が、多くの都市の中にも組み込まれていくのではないでしょうか。

灯台やブイなど航路標識に自然エネ、海上保安庁が導入加速 (JIJweb)

海上保安庁は、灯台や浮標(ブイ)などの航路標識の省エネ対策を加速する。夜間の標識点灯時に必要な電力を太陽光や風力、波力などの自然エネルギーで積極的に賄う。太陽光では3年後をメドに灯台用として国内最大の発電装置を導入。ブイは2005年度末までに自然エネと省エネ型灯光のLED(発光ダイオード)を組み合わせたタイプにすべて置き換える計画だ。

草垣島灯台が太陽光発電に/笠沙 -出力7.9kw 国内最大規模(南日本新聞)

同時に今まで人間が生活していなかった自然環境にも、資源開発などを目的に、人間社会の進出が進んでいる面もあります。この場合は、人間活動による自然にたいするインパクトをいかに測定、コントロールするかが重要とのこと。

「火星より地球の海の研究・保護を」と環境保護団体が結集(Hotwired)

現在、連邦議会で審議されている、ブッシュ政権の支持するエネルギー法案が通過した場合、沖合での掘削や液化ガスターミナルが激増すると環境保護活動家たちは見ている。その結果、「海の工業化」が起きるというのがオージェロット博士の予測だ。
博士によると、たくさんの天然資源採掘者が海上で暮らすようになれば、その生活を維持するために都市開発が必要になるという。「海洋の一部が私物化され、海の真ん中に小さな都市が生まれることになるだろう」
「われわれはまだろくに理解できてきない海洋に、非常に大きな変化を引き起こそうとしている」と、オージェロット博士は語った。


海のデータ収集に知恵を絞る海洋学者たち(Hotwired)

陸地では比較的簡単に測定できることでも、海では非常に困難な場合もある。降水量を測るといった単純なことでさえ、容易ではない。
 しかしワシントン大学の海洋学者で、物理学者としてのバックグラウンドを持つジェフリー・ニスチュエン博士は、海洋に降り注ぐ雨の音から降水量を推定する方法を編み出した。
「雨粒が海面に落ちて水はねが起きるときに泡ができ、その泡が小さなベルのような音を立てる。わずかな霧雨ですら本当に大きな音がする」とニスチュエン博士は説明している。