Skypeは友達ルーター IPネットワーク上の新しい情報共有アーキテクチャ?

Skype引き続きハマってます。最初は簡単IP電話!的な驚きだったのですが、だんだん「一度は音楽業界に叩き潰されたP2P技術、コミュニケーションという表の顔を得て再急浮上?!」という深みが、端々に見えてきます。

一番すごいな~と思うポイントは、PCにインストールされたSkypeアプリケーション自体が、ユーザー同士のバーチャルなルーティング機構を持っていることですね。
P2Pと呼ばれるアプリは、NapsterもGnutellaも、基本的にはSkypeと同じことをやっていたけれど、Skypeほど簡単にProxy,NAT越えは達成できていなかった。また”誰か”が持っている音楽ファイルの検索が目的で、特定のユーザーとつながっていることが主目的ではなかった。

ユーザー同士のつながりをP2PルーティングでKeep Aliveな状態に保持する、という点がSkypeの新しいアイデアではないでしょうか。Grooveとか、グループウェア系のP2P技術は近いのかもしれませんが、対象ネットワークが社内LANか、インターネット全体か、というのは大きな違いがあるように思えます。

SkypeのピュアP2Pアプリっぷりは、常駐しているSkypeアプリの挙動をみているとよく分かります。時々、突然オフライン状態になって、再「接続中」になることがありますが、推測するに自分のSkpeが接続しているスーパーノード・ユーザーがネットワークから落ちた場合に、自立的に新しいスーパーノードを探索しているのかな?

他にも、ファイル転送機能を使うと、「このファイルは他のユーザーを経由して転送されています」みたいな表示が出たり、やはり極めつけはフレンドの検索、上級編ですね。
「ランダムなコールを受け付ける現在オンラインのユーザーのみを表示」っていうオプションがウケます。現在は、年齢、性別、国とかのプロファイル情報が主な検索項目だけれど、「ハワイに住んでてサーフィンをやってる、ランダムなコールを受け付ける現在オンラインのユーザーのみを表示」とか、検索してみたい。

ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が、実世界のスタティック(静的)なリンク網をネット上に再構築する感覚なのに対して、Skypeのフレンド検索は、リアルタイムに変化するP2P網で、今オンラインで興味のあるユーザをGoogle検索する感覚。

Joi Itoさんが、インスタント・メッセンジャーで友達リストに登録できる人数の制限のせいで「一人友達を追加するために、誰かをリストからはずさなくてはいけないのがヤダ」と書いてましたが、簡単な検索方法が利用できるなら、ありとあらゆる知り合いをリストに追加する必要もないのかなと。むしろ逆に、検索のたびに思わぬ出会いもあったりして。

あと、フレンドリストの友達を右クリックして、「テキストメッセージ履歴を参照」すると、ローカルに保存された友達との会話が、日付けごとに整理されて一覧できるのも激しく便利。IMで決めた待ち合わせ日程を忘れてメールで確認する、電脳健忘症ぎみの揮発性脳内メモリにやさしい機能です。

Skypeを使って感じたのは、インターネットというインフラの基盤は、IP + ルーティングだということをしっかり再認識せねば、ということでしょうか。「サービスのサーバがあって、クライアントのPCや携帯が接続して・・・」という発想は、インターネットの本質的な部分ではなくて、現在はたまたまサーバがドメインネームという個別識別子を持っているからそうなだけ。

IP + ルーティングの上位レイヤの、DNSという素晴らしい情報共有のアーキテクチャのおかげでWorld Wide Webが探索できるようになったけれど、それがネットワークのすべてではないんだぞと。
Skypeというアプリケーションをインストールするだけでも、Skype IDを個別識別に、独自のルーティング、情報共有アーキテクチャを構築できる、ということを見せつけられた感じがします。

「IPv6とかいってるけど、ネットワーク的な透過性(penetration)が確保できればいいんでしょ?はい、これでどうですか?Skype。電話もできるよ」みたいな感じでカッコいい~。

「ネットワーク・サービス?サーバってコストがすごいかかるんでしょ」「ここにゲートウェイ・サーバを設けてユーザーIDで囲い込みを。。。」「とりあえず国民全員にナンバリングすればいいんだ」みたいな発想からは、新しい情報アーキテクチャは絶対に生まれてこないだろうなー。Anarchyな状態からルーティングの法則を見つけ出す、ルールやポリシーを決めるのではなくて、最適なアルゴリズムを導き出せるセンスなのかもしれません。

インターネットがすごいのは、1000円のルーターを100円のetherケーブルでつなげれば(数千円の無線LANアクセスポイントでもいい)、ネットワークが構築できてしまうこと。コストが低くて、シンプルなIPネットワーク上に、どういう情報共有のアーキテクチャを構築するかは自由なわけです。ピュアIP&ルーティングな発想であればあるほど、インターネット本来の力を引き出せるのだけど、現状の通信インフラの制約もあり、サービスの使い勝手との兼ね合いで、どこでバランスをとるか、その力量が問われるのでしょうね。

RF IDリーダー搭載も~ドコモが描く近未来(ITmedia)

コスト削減という観点でいえば、同社のコアネットワークをIP化することも重要な施策だ。これまでATMベースだったものを、フルIP化することになる(3月3日の記事参照)。このIPネットワーク上で、音声もデータもストリーミングコンテンツも流せるようにする。

「ATMは、当時の技術としては最先端だったが(2003年9月19日の記事参照)、IPのほうが汎用のソフトウェアを使えるほかコスト的に安い。2007年までには、ルーティングも含めてネットワークをフルIP化する。……と簡単に書いているが、実際には4500万からの客をいかに上手にマイグレーション(移行)するかが重要だ」



FOMAが自宅の内線に~FOMAネットワークIP化構想(ITmedia)

“IP化自体”が目的ではなくFOMAの抜本的経済化目指す

 FOMAネットワークは、これまで「高品質ながらメニューが限定」(ドコモ)されたATMネットワークをベースとしてきた(2003年9月の記事参照)。これをIPに置き換えていくことで安価かつ柔軟なネットワークを構築していく。

 目的はFOMAネットワークの抜本的な経済化だ。特に、現在課題となっている屋内・ビル内の集中トラフィックを安価にカバーするためにIP化に期待している。「屋内をいかに経済的にカバーするか。激安IMCSを実現できないか。まずは屋内をターゲットとする」

(中略)

現状、携帯電話サービスは「通信経路を通信業者が引くのが前提」となっており、ユーザーのLANを使ってドコモのサービスを提供するのは制度上の課題がある。しかし技術的には可能であり、従来企業内の内線システムとして使われることのあったPHSに代わるシステムとしても期待される。

 ちなみに、ドコモは無線LANを内蔵したFOMA端末を開発しているが(2003年12月の記事参照)、RANのIP化はあくまでトランスポート層に留まっている。無線部分のIP化は最終目標としては存在しても、現在のところ連携はしていない。現状は2005年に向けて、IPベースの基地局の小型化を進めている。

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