キーワード・ビジネスの検索エンジンと、Contextの編集力で伝播するブログ+RSSビジネス

前回の記事「ブログ+RSSリーダーと、検索エンジン。情報を探す導線設計の違いと補完関係」では、検索エンジンとブログ+RSSリーダーの、情報を探すための導線設計の違いを以下のように整理しました。そこで、今回は導線設計の違いによる、ビジネスモデルの差を考えてみます。

情報の対象 探す手段 例えるなら
検索エンジン HTMLファイル キーワード 個別の記事
ブログ+RSS ブログ Context 雑誌の定期購読

まずは検索エンジンから。現状で、ブログの記事を対象とした広告ビジネスモデルといえばAdsenseです。AdSenseは以下のような特徴があります。

  • 検索のためのインデックス情報を広告配信に流用
  • キーワード単位での、広告入札→Index登録→広告配信、という全自動化された低コストインフラ
  • 導入は簡単、ブログの記事を書くだけで自動更新される
  • ただし、検索エンジンの特性上、「記事単位の広告導線」

全自動+低コストのインフラで、個人コンテンツ広告という「無消費の市場」を開拓した新市場型の破壊的イノベーションといえます。この辺の詳しい説明はこちらの記事で「GoogleのAdSense広告戦略は、新市場型破壊による”イノベーションの解”か?」。

Adsenseを前回の記事の、情報の導線設計にあてはめて図式化すると、こんな感じになるのでしょうか。

もともと検索エンジンが「キーワードと一つのHTMLページを関連付ける」ことを主眼においているので、ビジネスモデルもシンプルに「キーワードと広告を結びつける」ということになります。これはこれで、分かりやすくフェアなビジネスモデルといえるでしょう。
ただし裏を返せば、「自動的にフィットする広告が選ばれる」ということは「ページ作者が、何をおすすめしたいか(どの広告を表示するか)は選べない」ということであり、「記事単位での広告」ということは「記事をまたがって、プロモーションが広がる」ということは無い、ということでもあります。まあ、当たり前のことで、これは欠点でも何でもないのですが。

一方で、ブログの普及と共に急速に普及しているアフィリエイト広告を考えると、またすこし違う属性が見えてきます。

このサイトでもG-ToolsというAmazonのアフィリエイト・ツールを提供していますが、こちらの特徴は以下のようになります。

  • コンテンツとしてのブログでの商品紹介
  • G-Tools = 商品選択の自由はユーザーにありながら、アフィリエイト・リンク、HTMLデザインを自動化
  • 「ブログで感想を書く」→「友達のブログを読む」→「購買」→「自分でも感想を書く」という導線
  • 「誰でも簡単に、自分のオンラインショップがつくれる」という新市場

この辺りは、以下の記事でも関連して書いています。

U2が無料で協力するiPodと、FireFoxの25万ドル寄付広告に見る「プロモーションの自由」 
快適操作はiPod+iTunes & 知識共有はブログ & ストレージ共有はLinux 新しいハードのバイラル・マーケティング

また、情報の導線設計にあてはめると以下のような図になります。

図にしてみて改めて分かるのは、このようなプロモーションが効果を最大の発揮するためには、

  • ブログのコンテンツの一部として、マッチするような商品が紹介される
  • 単なる商品リンクではなく、詳しい感想や、Hackするための知識・ソースコードなど、商品価値を高めるコンテンツが必要
  • そのようなコンテンツは、RSSリーダーなどで読まれて、同じような関心を持つブログ作者に引用・TrackBackされることでWEB上を伝播していく
というような情報伝達のルートに乗ることが重要だと思われます。

したがって、ブログのテーマ(Context)を考慮せずに、をただ単に商品リンクをコピー&ペーストして、ブログの記事を連発しても、本当の意味でのブログのパワーを利用していないことになります。
ブログのSEO効果、ということも言われますが、これは前述の検索エンジンをターゲットにする場合のみ有効で、またここまでブログが普及してくると、その効果はすぐになくなってくるでしょう。

というわけで、ビジネス的な側面を見ても、ブログ+RSSと検索エンジンは、結構異なる特性を持っているようです。またブログに関しては、その作者が「どのように自分のブログを編集するか」ということによって、意味的なつながり(Context)も大きく変わってくるので、単純にテクノロジー的な側面だけでは予測がつかない、社会に浸透してきて初めて「なるほど~こういう使い方もあったのか」という結果が見えてくるのかもしれません。