ブログ脳1 書くことで、記憶の中の意味を立ち上げる

自分の便利=自分のための整理

「ブログを書くと、どんないいことがあるの?」このシンプルな質問には、色々な答えがあると思います。最近、気に入っている答えは、「自分のための整理になるよ」というもの。Folksonomyの基本にも、「自分の便利が、皆の便利に」ということがありますが、「自分の便利=自分のための整理」という視点から、何回かに分けてまとめてみます。

参考書として、茂木健一郎さんの「脳」整理法を参考にしながら進めます。「脳」整理法には、「考える」ということについての実践的な理論が満載されています。

ブログを書き続けていると感じる、「何となく、自分のためになっている感覚」。その具体的な正体とは?

連想力

ブログ未体験の友達に、ブログについてちょっと説明したところ、こんなアイデアを話してくれました。なんでも彼は、映画を見たら「誰と、いつ、どの映画を見たか」だけを必ずメモしているそうです。感想は特に書いていないけれど、そのメモを何年かあとに見ると、結構色々なことを思い出せるそう。単に、映画の内容だけでなく、自分がいつ何をしていたかのインデックスになっているようです。連想ゲームのようなものでしょうか。

記憶術と呼ばれるものも、このような連想力を活用するものが多いそうです。単純に一つの事柄だけを覚えようとするのではなく、色々な情報と関連づけて記憶する。ある人について覚えるのに、顔写真と名前だけよりは、実際にあって話したほうがいい。10分間、立ち話をするよりは、浜辺でバーベキューをしながら話す方が記憶に残る。

色々なイメージを、記憶のなかでリンクさせておくと、そのなかの一つをたどって、より多くの事柄を思い出せるのでしょう。「忘れたんじゃなくて、思い出せないだけ」というのは、あながちただの言い訳ではないのかも。覚えるということは、意図的に自分のなかで情報のリンクを立ち上げるとういうことでもあるのでしょう。

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記憶を編集する、書くという行為

書こうとすることは、記憶や感情や感覚を集め、それを文章のかたちで再構成することです。書く過程は、バラバラに記憶されていた思い出のパーツを、改めてリンクさせていくことでもあります。

ブログを書くことで、すべての記憶が保存されるわけではないでしょう。しかし、そもそもの「書く」という行為自体が、記憶の強化という側面をもっています。結果としてのブログの文章は、人それぞれかもしれませんが、自分にたいするフィードバックとしての効果は一定のものがありそうです。

「脳」整理法 p.12

脳の働きというと、「記憶」が真っ先に想起されます。人間の脳の記憶は、体験したことをそのまま保存するためだけにあるのではありません。脳内の記憶は、日々の体験を受けながら、徐々に整理、編集されていきます。「記憶力」というと、体験したことをそのまま保存し、再生する能力を思い浮かべがちですが、本当の記憶力とは、記憶を編集し、整理することによって新しい意味を立ち上げる能力を指すのです。

むき出しの素材としての体験では足りず、「整理」されてはじめて立ち上がりうる「意味」は、私たちが世界の中で生きていくうえで大切な役割を果たしています。

*** 中略 ***

私たちの中にある親友の印象は、単一のエピソードに帰着できない、複雑で豊かなニュアンスを持っているはずです。生涯の友は、「脳」整理を通してこそ生み出されるのです。

「脳」整理法 茂木健一郎・著 より

ブログ脳2 書けるのは、その時だけの、草文章」へ続く