まるのままの野菜を、ていねいに食べる

昨年に受講した「やさい料理教室」のあとに、主催者のひとり、みよしさんからお誘いをいただき、先週末の土曜、内田悟さんのやさい塾に参加してきました。やさい塾は、5年前から築地御厨で開催されている、内田悟さんのライフワークともいえる活動です。

前回の料理教室のあと、関連する書籍を読んだり、内田さんの本を片手に野菜料理をすることで、今回はより全体像を理解することができた気がします。内田さんの世界観、内田流の目線で、野菜を見るとはどういうことなのか?

間違いを恐れずに、自分の理解を端的に言い切ってしまうと、「目の前の野菜が育った姿をきちんと想像して、やさいと対話しながら、そのすべてを美味しくいただく」ということではないだろうか。

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まるのままの野菜をさばいて下ごしらえする。そのためには、その野菜が畑でどのような姿をしているのか想像するのが一番。葉はどのようにつき、太陽の光をエネルギーとして受け取るのか。地面から吸い上げる養分と水は、どこを通り、どのように実が大きくなるのか。どこからが土の上で、どのような暑さや寒さにさらされるのか。

そのイメージと、各部位の味、適した食べ方を、料理のなかでトライ&エラーを繰り返しながら、結びつけて記憶していく。

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必ずしも、すべてを正確に知っている必要はないけれど、野菜を手に取りながら、少しの間、じっくり見るだけで、意外と多くのことを、野菜は語りかけてくるのではないだろうか。それを日常のなかで続けていくと、旬の走り、盛り、名残の微妙な変化にも気づくようになる。

できればさらに、野菜がどのようなグループに属するのか。生まれ故郷は、どのような地域、気候なのかを知ることで、おいしい季節に自信を持てるようになる。

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講義の合間には、「ていねいな野菜料理」の見本ともいえる「旬野菜のワンプレート料理」をいただく。ひとつひとつの料理の説明を聞いて、「これだけの人数の仕込みは大変だろうな」と感謝する。

前回に比べて、そういったディテールを意識することができたような気がします。ちょうど、TEDで似たアイデアのプレゼンテーションを見かけました。学生たちに料理を教えるときに、30分、会話をせずに料理に集中する時間をつくったことで、より多くの気づきと、そして、料理の味が美味しくなった、という話。

野菜って、ちょっとまじめに調べ始めると、すごく難しいんですね。農に目が向くのは必然なのですが、素人が立ち入るには、あまりに奥深い世界が広がっている。その入り口で、しばらく戸惑っていたのですが、ようやく自分の立ち位置を、最近、確認することができてきました。

それは1人の消費者として、手に取った、まるのままの野菜をしっかりと見て、ていねいに食べること。たったそれだけのことだけれど、ちゃんとできるようになるには、相当な経験が必要そうです。